演出
若月・ロビンソン アンドリュー
ダウトフルサウンドの前回公演「フェードラズ・ラブ」は、一般にタブーとされるテーマを扱うことで皆さんと考える機会を持ち、また観客一人一人にもそれらの問題について向き合ってもらいたいと選んだ戯曲でした。
今回の「山」はまったく違う作品です。私達自身も含めた、ここに住んでいる人達にとって身近なこの国の、歴史・文化・風俗について調べ、読み込んだ民話を私達なりに具現化する試みです。
またこの作品を、題材となった山形県庄内地方の人たちに誇りを持って受け入れてもらえるようなものにできるかというのも、これまでにない非常にやりがいのある挑戦でした。その為、7月に山形県鶴岡市・酒田市で行った公演で、原作編者の畠山弘氏はじめ地元の観客の皆さんが終演後に見せてくれた微笑みは私達に安堵と嬉しさを味わわせてくれた格別なものとなりました。
原作をもとに書き上げた脚本は役者たちの自由な発想でそれぞれ役柄を膨らませました。しかし物語そのものには全く手を加えていません。民話の根底に流れるメンタリティーを皆さんにも感じ取って頂ければ幸いです。
昼公演後にはアフタートークがあります。夜公演後も、山形産ワインやお菓子を片手にどうぞ役者達とゆっくりお話し下さい。
本日はご来場誠にありがとうございました。